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どうにもならないと思う時

『どうにもならないと思う時にでも、
わめき回るようなことをするな。
じっと眠たくなるような心持ちになれ』

中国・明の時代に書かれた、『菜根譚(さいこんたん)』という書物の中に、
「口乃心之門(口はすなわち心の門なり)」とあります。
食物と言葉の出入口である我々の口は、実は心の出入口でもあるのですね。
この口を慎重に守らなければ、心というものは気付かぬ内に洩れ出て流されてしまう。
ですから「心の門」である口にいつも注意を払いなさい、と教えているわけです。

また、門(出入口)というからには、口から出た言葉が、
やがて返ってくるという意味も込められているのでしょう。
昔から言霊(ことだま)という言葉があるように、
一度発した言葉には魂が宿るものです。
そしてその言葉は後に、言葉を発した人の心、
大きく言えばその人の人生をもつくりあげて行くのです。
一度自分が言った言葉は、やがて必ず自分のもとに返ってくる。
いよいよ心の門である口の扱いが大切になってまいります。

しかし、そうは言っても人間ですから、ついつい感情が口からこぼれそうになる。
その感情が感謝や喜びであれば問題無いのですが、
不足や怒りであっては、その後の人生をも台無しにしかねません。
そのような時、どのようにすればよいか。

そういう時こそ、じっと眠たくなるような心持ちになることが大切です。
それがわめき回りたくなる状況から抜け出す唯一の道なのです。
口を開けば感情に流されやすい。
感情を口に出してしまえば、その言葉に流されてしまうのが人間というもの。
ならば、心の門である口をしっかりと守って、時には鍵を掛けて固く閉ざすことも大事なのです。
人や物事を責めようとする「思い」をそのまま口に出さず、
静かに神様へと心を向けていくことが、大切なのですね。
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