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親がほっぺをつねる時

をさ はるみさんの作品に、『独り言(ひとりごと)』という詩があります。

わたしがわたしになるために

人生の失敗も必要でした

むだな苦心も骨折りも悲しみも必要でした

わたしがわたしになれたいま

恩人たちに手をあわせ

ありがとうございますと ひとりごと


恩人とは自分にとって感謝すべき人、尊敬すべき人に限ったことではありません。

信心の眼でみれば、反面教師もまた恩人なのであります。

人だけではありません。失敗も、無駄な苦心も、骨折りも、悲しみも、

その全てが人生の恩人である、と。

一見無駄に見えることの中に、どれだけの神様の願いが込められているか。


幼い頃、自分のことしか考えなかったり、わがままを言ったりすると、

親にほっぺをつねられたものです。

その時は、何故そんな痛い思いをさせるのだろうと思っていましたが、

自分が大人になり、また子どもを育てるようになると、

それが親の深い愛情であったということに気付かさせます。


我が子のほっぺをつねる親の心は、つねられたほっぺよりもはるかに痛い。

それでも心を鬼にして、ぽっぺをつねるのは、

愛する我が子が、将来、人間関係で苦しまないように、

みじめな思いをしないようにという祈りがあるからなのですね。


お道の教えにも、このようにあります。

『神は、人間を救い助けてやろうと思っておられ、

このほかには何もないのであるから、人の身の上にけっして無駄事はなされない。

信心しているがよい。みな末のおかげになる。』


神様は人間の親であります。

同じ親でも、神様は人間の親と違って将来を見通されています。

私たちの十年先、二十年先を知った上で、

一人ひとりの人生に出来事や人を差し向けられるのです。


ですから逆境も、自分にとって嫌だと感じる人間も、

すべて私たちの成長の為に差し向けられたもの。


私たちが神様に「助けて下さい」と祈る、その遙か前から、

実は神様が「この事柄を通して助かってくれ」と祈って下さっているのです。
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