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手を合わせるところに

お道の教えにこのようにあります。

『夫婦は他人の寄り合いである。

仲よくすれば一代安心に暮らすことができる。』
 

運勢というのは人が運んでくると言われますが、

夫婦の仲がどれくらいよいか、

そこにどれほどの深さがあり、強さがあるかということで、

私たちの運勢の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。


そんな夫婦の関係を教えられる話に、

教育家である東井義雄先生と奥様とのエピソードがあります。


先生は檀家が9軒しかない日本で一番貧しいと言われるほど極貧の寺に生まれ、

大変な苦労を重ねられて教育者となり、

数々の功績を残された方であります。


その先生がある方に足を揉んでもらった際、

このように教えられました。


「あなたは奥様の足の裏を揉まれたことがありますか。

一度揉んで差し上げなさい。

その時は必ず、揉ませて頂きますという気持ちで、

手を合わせてから揉むとよろしい」


東井先生はたいへん素直な方で、

帰ってすぐ奥様に「足を出してくれないか」と頼みました。


何のことかと思いながら腹ばいになって出した

奥様の足の裏を見て、先生は大変驚かれたそうです。 


結婚三十八年目にして初めて見る我が妻の足の裏とは、

なんとまぁ、ひび割れだらけのゴツゴツした足の裏なのかと。


そして気付かされたのです。


もともと妻は町の寺の娘として生まれ、

結婚した頃はきっと可愛らしい足の裏をしていたに違いない。


それが結婚して今日まで、

山の中の貧しい寺で、炊事、洗濯、掃除と

毎日毎日働き続けた為にこのような足の裏になったのだと。


自分はこれまで手を合わせたことがないばかりか、


考えもしなかったが、

この足の裏に三十八年間ずっと支えられて来たのだと…。


そうして気が付くと、先生はいつの間にか、

本気になって、奥様の足の裏に手を合わせていたそうです。


手を合わせるとは、相手を信じ、敬い、尊ぶことです。

手を合わせるところに、良いものが生まれ、

万事が良い調子となってくる。


運勢が開けていく時とは、正にその時なのです。
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