FC2ブログ

目が見えるということ

孔子が大勢の弟子とともに

荒野を移動していた時のことです。

ある戦に巻き込まれ、孔子の一行は食料に窮しました。

段々と皆が弱り、中には不足を言う者まで出てきます。

そこで、勇気ある弟子の一人が戦地を走り抜け、

僅かばかりの米を調達して帰ってきたのです。


皆、久しぶりに御飯が食べられると大変喜び、

そして孔子の一の弟子である顔回(がんかい)が御飯を炊く当番となり、

その他の弟子達は孔子の話を聞くことになったのですが、

ある弟子の一人が思いがけず顔回のとんでもない行動を見てしまうのです。


それは、顔回が釜の御飯を手で掴み、

自分の口に入れたその瞬間を陰から見てしまったのでした。


「一の弟子とも言われる者が、普段は道とか誠とか言っていても、

 こんな浅ましいことをする。道の力とはたいへん弱いものだ」

とその弟子は怒りに震え、孔子に訴えました。



すると孔子は、静かに

「そうか、お前が見たのならば嘘ではあるまいが、顔回は小人では無い。

 きっと何か理由があったのだ。顔回を呼びなさい」


そして、顔回に問います。

「お前が炊いてくれた御飯を、

 まずは私たちの先祖にお供えしようと思うのだがよいか」と。


すると顔回は

「それは大変申し訳無いことをしました。

 先程、御飯が炊けただろうと思って釜の蓋をとった際、

 煤の固まりが御飯の上に落ちまして、

 すぐに煤のついた御飯を手に掴み捨てようとしたのですが、

 いや、この米は大変な苦心のこもった米であると思い返し、

 煤を取り除き、あとの米を私が先に食べてしまいしました。

 ですから、もうお供えすることは出来ないのです」と。


何の隠すところも無い。

何のやましいところも無い。

顔回を疑ったその弟子は深く恥じ入りました。 


普通ならば、すぐに顔回を責めたり、

弟子を慰めその場を濁したりしてしまうところですが、

孔子はそうはなさらなかった。

ハッキリと目が見えておられたので、

少しもごまかされることなく、道を現されたのであります。


さて、自分の目はどうでしょうか。

ハッキリと見えているのかどうか、考えさせられるのであります。
関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

ランキングに参加しております!
いつもクリック頂き、        誠にありがとうございます。   アヒルちゃんとネコちゃんを     1日1回ポチッとお願いします。

FC2Blog Ranking 人気ブログランキングへ

お越し頂きありがとうございます!
ご連絡はこちらよりどうぞ

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
最新記事
カテゴリ
FC2カウンター