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万策尽きて

坂本龍馬は幕末の風雲児として、今や国民的英雄ですね。

その龍馬の姪にあたる岡上菊枝(おかのうえきくえ)という人物をご存じでしょうか。

その生涯を孤児・貧困児の養育に捧げ、「社会福祉の母」と呼ばれた女性であります。

そんな菊枝の養育が世間の注目を集めるきっかけとなったのが、
山中で動物と一緒に数年間暮らし、山猿同様であった十歳の少女が、
村人に付き添われて入園してきた時のことでした。

皮膚や髪の毛は泥と垢にまみれ変色し、
人を睨む目つきは獣のようにするどく、
とても教育を受けさせられるような状態ではありませんでした。

しかし菊枝は、その汚れきった少女の体を一緒に風呂に入って洗ってやり、
抱いて寝る生活を始めたのです。

少女も始めはそんな菊枝に圧倒され、ただただ驚くばかりでしたが、
自分を愛し受け入れてくれる菊枝の姿勢は、少女にとってわけが分からないほどの喜びであったようです。

その後少女の知性は急速に成長を始め、
5年のうちに食事も読み書きも一人前に出来る可愛らしい娘になりました。

この奇跡のような養育に関して、その教育方針を尋ねられた菊枝はこのように答えています。

『愛と理解こそ人間教育の最も優秀な武器でございます』と。

私たちは幼いころから『相手の立場に立ちなさい』と教えられてきました。
確かにそれはごもっともですが、実際のところ本当に「相手の立場に立つ」ことなんて、
とても生身の人間には出来やしないものです。

うまく出来て、受け入れてあげられるぐらいでしょう。

そんな非力な人間が一人の人間を育てるのに、
口や手をいくら上手に使ったところで歯が立たない。
その相手が他人の子ならば尚更歯が立たない。

そんな万策尽きたところで、愛と理解がまだ残る。
心でしかできないことが、真価を発揮するのですね。

菊枝はこのような言葉も残しています。

『口の人になりなさんな。心の人になりなさいね。』

この格言は時代や場所を問わず、言えることではないでしょうか。
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