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本気の毎日を送る

『昨日を忘れ、今日を喜び、明日を楽しめ』


作家で詩人の高見順さんの晩年の話であります。

食道がんのために病床に横たわっていた時、

ふと窓の外を見ると、激しい風雨のなかを少年が新聞を配達している姿が見えた。

その姿に胸を揺さぶられ、次の詩を書かれたそうです。

なにかをおれも配達しているつもりで
今日まで生きてきたのだが
人びとの心になにかを配達するのが
おれの仕事なのだが
この少年のようにひたむきに
おれはなにを配達しているだろうか
 
ひたむきな新聞配達の少年の姿が晩年の作家魂に火を灯したのであります。


私たちの心に火をつけ、生きる力を与えるもの。

それは、決して見た目や才能ではありません。

よいことでも、わるいことでも、人間が重大なことにぶつかって、

その人の本気が出ている時というのは、人を惹きつける力がある。

そこに人間の真(まこと)、本体が現れ出ているからです。


毎日を本気で生きていこうとするならば、感謝を中心に置かなくては続きません。

人間にとって感謝にまさる生き甲斐はないのです。

地位があっても、金持ちであっても、感謝できなければ決して幸福とはいえません。

今日一日、自らに与えられた仕事を精一杯に喜んでさせて頂けるかどうか。

後で振り返って、今日一日よかったなぁと生き甲斐を感じ、幸せを思うかどうかが一番肝心なことであります。

火は自身が暖かいばかりでなく、周囲のものまで暖かくします。

自身が明るいとともに、周囲のものまで明るくするのです。

人も同様に、自身が感謝で本気の毎日を送るなら、

その周囲にもそのような人や出来事が増えていくことになる。

それが道にかなうということです。

ありがたく勤める

『世のため人のため、わが身の上を思って、

 家業をありがたく勤めることができれば、それこそがおかげ(幸せ)である。

 それが神様の御心にかなうのである』


ふつう信心といえば、宮、寺、お堂など特別な場所で、

特別な作法をもって特別なことをすることのように思われがちですが、実はそうではありません。 

会社でのお勤めや、家事や育児といった日常の仕事の中にこそ信心がある。

その仕事をありがたい心でさせて頂くことこそが神様の願いである、という教えであります。


近年では仕事のことを、「利益がすべて。結果がすべて」などと言ったり、

「生活を保つための手段に過ぎない」などと割り切ったりする意見が、大変多くなってきました。


しかし、もし仕事のことを、利得や名誉などを得るための手段だと考えるならば、

仕事をすればするほどに、どうしても利己的になっていき、堕落していってしまうでしょう。


また、もし仕事を自分が生きていくための単なる手段として、

そのためにしなければならない重荷であると考えるならば、

いつまでたってもそういう仕事の仕方しか出来ず、

またそういう仕事しか与えられないようになるでしょう。


そのように仕事を何かを得る為の手段として考えるのではなく、

仕事自体を目的として考えてみてはいかがでしょうか。


何の為というわけでなく、仕事をすること自体に感謝し、

自分はどうなるかなどということは忘れて、ただ仕事をすることを喜んでみる。 

すると、仕事のほうも喜んでくれて、

終始自分につきまとってくれるようになる、それが道理というものです。


「生きる」という字には、「生む」という意味が込められています。

これは、神様から与えられた力を用いて、そこに何かよいものを生みだしていく。

それが生きるということであり、働くということでもあるのです。

与えられた仕事をまっとうする中で、人は「生きがい」を得、幸せになっていくのです。

神様の仕事

『仕事をするというから神は見ている。

仕事をさせていただくという心になれば、

神はつきまとってさせてやる。』                     

ノートルダム清心学園の理事長である渡辺和子さんは、

幼少の頃に二・二六事件で最愛の父親を目の前で亡くされます。

その後は家計を支えるために、米国の方々のもとでキャリアウーマンとして、

ただひたすらに合理性と効率を追求し働かれました。 


しかし三十歳のとき、家族の反対を押し切って入った修道院では、

配膳や洗濯、草むしりなど、いわゆる単純作業の毎日。

渡辺さんも当初はそのギャップに大変戸惑っておられたそうです。

そんなある日のこと、渡辺さんがいつものように配膳の仕事をしていると、先輩のシスターから声を掛けられました。

「あなたは何を考えながら、お皿を並べていますか?」。

渡辺さんは、まさか「つまらない、と考えながら…」とは言えず、

咄嗟に「別に何も考えておりません」と答えました。


するとそのシスターは、にっこりと笑って、

「一枚一枚のお皿を並べて置く時、ここに座る人が『お幸せでありますように』と、

祈りながら置いてみてはどうですか?

そうすれば、お皿を置くという、ただそれだけの仕事も、神様の仕事となるのですよ」


渡辺さんはこの言葉のおかげで、この世に「雑用」

という仕事など無いということがよく分かった、とおっしゃっています。

同じ仕事でも、「雑用」になるか、

「神様の仕事」になるか。それは私たちの心の持ち方次第です。


自分が「する」、「してやってる」と思って行う仕事には、必ず不満と不足が伴います。

それは、自分のものさしで仕事の大小、上下を決め、

自らの心から「つまらない仕事」「取るに足らない仕事」「雑用」を生み出してしまうためです。


一方、「させていただく」と思って行う仕事には、感謝と満足が伴います。

それは、仕事の大小に関係なく、仕事を通じて誰かの幸せを願い、

誰かの役に立とうとする願いが心の中心があるためです。


この心で行えば、仕事は何でも神様の仕事となるのです。

神が生まれる

『生神ということは、ここに神が生まれることである』

室町時代に活躍した浄土真宗の僧、

蓮如上人がある田舎町に訪れた時のことです。

糸を紡いでいた老婆が蓮如上人に向かって、

「私は糸を紡ぎ紡ぎ、念仏を唱えております」と言いました。

老婆は心の中で、蓮如上人がきっと満足の意を表されるであろうと期待していたのですが、

蓮如上人からは思いがけない答えが返ってきました。

「婆様、そうではない。念仏を唱え唱え、糸を紡ぎなされよ」

「糸を紡ぎ紡ぎ、念仏を唱える」とは、糸を紡ぐという仕事をしながらも信心を忘れずにいる、

ということですが、蓮如上人はそれではいけないと。

そうではなくて「念仏を唱え唱え、糸を紡ぐ」。

つまり、信心を中心に置いて、糸を紡ぐという仕事をしなさい、と老婆に教えられたのです。


仕事をしている自分がいて、その自分が信心をしているのであっては、

仕事が行き詰まった時、自分自身が行き詰まった時、助かる道はありません。

信心を中心に置けば、神様が中心に居られることになる。

神様が中心に居られて、信心させて頂いている自分が神様の手足となって働かせて頂くのですから、

仕事が行き詰まっても、自分自身が行き詰まっても、それを乗り越える力を与えて頂けるのです。


通例、神様というのは我々人間とは別にあるように思われていますが、

そうではなく、人間の中に現れる神様、生きた神様なのです。

それが人間が迷いや欲に引っかかっているから、神様が現れることが出来ない。奥の方に押し込められている。

それでは助かる道がありません。


「自分がする」ではなく、すべて神様に「させていただく」。

神様のお仕事を自分の手足を使ってさせていただき、

神様の生きておられる生き方を、自分の生活をもってさせていただくのです。

そこにこそ、助かる道があるのです。

重荷を担う力

インドの有名な哲学者タゴールの詩に、このような一節があります。


わが重荷を軽くせよとわれは祈らず

われをして重荷を担うことを、

得るものたらしめよ

というが、わが祈りなり


一般的に信心とは、不幸災難から逃れ、平穏無事な日々を送ることが目的とされていますが、

タゴールの祈りには、そのような不幸災難から逃れようとする心情はありません。

むしろ、不幸災難に打ち克っていこう、困難の渦中においても幸せに生きていこう、

という主体的な姿勢が祈りに込められているのです。

人間は皆、必ず何かで苦しむものです。その一人ひとりの苦しみも、決して生半可なものではありません。

胸につかえる問題は誰の人生においても、次々と起きてまいります。

しかし、その苦難の中にどれだけの神様の願いが込められているか、

一見無駄に見えることの中に、どれだけの恩寵があるか、ということに心を向けることが信心であります。

苦悩や絶望が縁となって、神様の願いに気付かせていただき、真の生き方に目覚める。

そこから自然と手が合わさるようになる。

いのちの根が深くなり、よりしっかりとした人生を送ることが出来るようになるのです。

確かにこの世の中は生きづらい。

一面から言えば、人生とは苦労の連続であります。

しかし、その苦労を乗り越えずして、何を乗り越えると言うのでしょうか。

そこを乗り越えて行くところに「生き甲斐」というものがある。


もしこの世のすべてがやさしくて、楽しい事ばかりだったら世の中は決して面白くないはずです。

生きづらい世の中を一生懸命に生き抜いてこそ、生きる喜びを感じることが出来るのです。

人間の本当の幸せとは、そのように人生で出逢う苦難を、

自らの心が乗り越えた先にあるのではないでしょうか。

その真理を何時も忘れないように、祈らせて頂きましょう。
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